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胆石症の、症状の現れ方 [腹痛]
■ 胆石症の、症状の現れ方
胆石症は、かかった病気の種類によって「症状」が異なってきます。
・胆嚢結石
胆嚢に結石があったとしても、多くの場合は症状が出ないものです。なんらかの症状が出るのは、胆嚢結石を持っている人のおよそ2割だとといわれています。その症状も、上腹部に違和感があったり腹部に膨満感があるなど、胃や腸の症状と似ている場合がほとんどです。
しかし、胆嚢結石には特徴的な症状があります。
それは胆石疝痛(せんつう)と呼ばれる腹痛です。
これは、脂肪分の多い食物をとったあとに起きる上腹部の傷みです。とくに右の肋骨の下あたりに周期的な痛みがおこるもので、背中や右肩にコリや痛みを伴うこともあります。
胆石疝痛は、結石の移動が原因です。胆嚢結石が胆嚢の出入り口をふさいだり胆嚢管に詰まったりすることで、、胆汁の流れを妨げ、痛みが起こるのです。その状態で胆嚢内に細菌が感染したりすれば、高熱を出す「急性胆嚢炎」になります。なお、特殊な状況を除けば、通常、胆嚢結石で黄疸になることはありません。
・胆管結石
胆管結石は、上記の胆嚢結石とは正反対です。多くの場合、何らかの症状を伴っていて、症状の無い人は1割程度と、全く逆転しています。
胆管内の結石ができると、胆汁の十二指腸への流れが妨げられて、腹痛や発熱などの症状が出てきます。胆管内にたまった胆汁が血液中に逆流してしまえば、黄疸を来します。われわれ日本人は、もともと黄色い皮膚をしているので、黄疸が酷く無い限りは、肌が黄色くなったのに気づきません。しかし、黄疸の前に、尿の色がウーロン茶のように茶色くなるという兆候が現れます。
病状が進行すれば、胆汁中の細菌が胆汁と一緒に血液に入り込む(敗血症、菌血症)がおこり、悪寒を伴う高熱や意識障害、のほかショックを来してしまい、極めて危険な状態になります。それが、急性閉塞性化膿性胆管炎です。適切な処置をしなければ死亡の危険もあります。高齢者は、腹痛を通り越して、急に高熱や意識障害を来す可能性があり、より注意が必要です。
また胆管結石は、「急性膵炎」の原因になります。急性膵炎は、膵液の十二指腸への流れを妨げて膵炎を起こします。症状としては、みぞおち痛や背部痛、嘔吐などがあります。
■ 胆石症に気づいたらどうすれば?
症状が出たときには、病院へ行って治療を受けなければなりません。疝痛発作までいかなくても、上腹部の軽い痛みや違和感、膨満感などを自覚する場合には、消化器内科か外科を受診して、今後の治療方針について話し合う必要があります。
症状の無い胆嚢結石でも、定期的(半年~1年)に外来を受診して、状態を調べてもらうのがベストです。
かつて胆管結石と診断された方が、腹痛や発熱や黄疸の症状が出た場合に、そのまま放置すると命に関わります。緊急で医療機関を受診してください。症状がなくても、血液検査で肝臓や胆管の酵素が異常値を示した場合には、すみやかに治療を受ける必要があります。
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