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化膿性関節炎とは [膝の痛み]
■ 化膿性関節炎とは
年はとりたくないものですが、どうしても、頼みもしないのに月日は勝手に進んでいきます。20年たてば20歳、30年たてば30歳。そして50年たてば50歳です。若い頃には気付かなかった事実ですね。
年をとって困ることはたくさんありますが、直に実感できるのが関節の痛み。
運動不足や逆に運動のしすぎ、その他、様々な要因が原因となって節々が痛むのです。
関節の痛にもいろいろありますが今回は化膿性関節炎でいきましょう。
関節痛の一種である「化膿性関節炎」の症状と原因、その治療方法についてお話します。
・「感染化膿性関節炎」の症状とは
化膿性関節炎とは、関節に細菌が入り込んで感染し、炎症を起こす病気です。主な細菌はブドウ球菌・連鎖球菌・肺炎球菌・MRSAなどになります。
関節に炎症が起こると、その部位が激しく痛んで、表面の皮膚が赤くはれあがって熱を持ちます。その部分だけではなく、全身にも症状が現れることもあり、悪寒や倦怠感、食欲の低下などがおこります。
関節の炎症が長く続くと、関節を包む膜が伸びきってまれに脱臼を起こすこともあります。さらに、皮膚に孔があき(瘻孔(ろうこう)という)、うみが排出されることもあります。
関節の表面の軟骨が壊されてさらに骨まで破壊される恐い病気なのです。治療が遅れてしまうと関節の障害が残ります。そうしたことから、緊急性を要する病気のひとつだといえます。
感染化膿性関節炎は関節が感染する病気ですので、体中のあらゆる関節に起こる可能性があります。なかでも、膝関節での発症が最も多いようですが、ほかに股関節、肩関節、足関節でも発症します。小児の股関節におこった場合、身体の深いところで関節の状態がわかりにいのですが、強い痛みのためほとんど関節を動かさなくなります。オムツ交換時にひどく泣くといった症状が診断の手がかりとなります。
誰でも発症しますが、年齢的には、抵抗力・免疫力の低い幼児や高齢者に多く見られます。
・化膿性関節炎の原因
関節が細菌に犯されるということは、その場所に細菌が侵入する事態があって発症します。たとえば、下記のようなケースが見受けられるようです。
他の部位の炎症から、血液を介して関節に感染した
深部にまで達する深い傷口から侵入した細菌に感染した
敗血症、扁桃炎、膀胱炎など、他の病気の発症に関連する細菌に感染した
細菌が付着した注射器を消毒せず(または消毒不足)に使った注射で感染
化膿性関節炎が進行すると、骨や関節軟骨などが破壊されて変形してしまいます。よって、早期診療と早期治療が肝心になってきます。対応が遅れてしまって症状が進行してしまうと、日常生活にも支障が出るような後遺症を被ってしまいます。
・膿が溜まってしまうと手術も必要
早期発見ができて、関節内に膿が溜まっていない段階なら治療も比較的簡単です。一般的には、関節をギプスなどで固定して、抗菌・抗炎症効果のある抗生物質の点滴による治療がほどこされるでしょう。
ところが膿が溜まっているところま進行してしまった段階だと、早急に膿を排出することが必要となります。注射器を挿入して吸引するなどで溜まった膿を吸引します。それでも効果が不十分な場合は、手術という選択になります。
化膿性関節炎の手術では、膝を切開して膿や傷ついた組織を取り除き、関節内を洗浄するという準を踏みます。膿が多かったり炎症が止まっていない場合には、膿を排出するための管を一時的に入れておく場合もあります。
病巣が小さい場合は切開まではしないで、切開が不要な関節鏡(内視鏡)を使った手術「関節鏡下郭清術」で対応することもあります。
・化膿性関節炎を予防法するには
化膿性関節炎は、細菌の感染による炎症が原因です。発症してしまうと個人でどうこうできるものではなく、食事療法や運動療法といった治療法で回復するものではありません。
予防法も難しく、目には見えない細菌の感染を完全に防ぐのは不可能です。それができたなら誰も風邪やインフルの心配はしなくなります。それくらい難しいのですが、発症に幼児や高齢者が多いことがヒントになります。感染に対する抵抗力をつけておくことで発症率を下げることができるのです。それは同時に、感染したとしてもその後の治りを早めることにもつながります。
身体の抵抗を増すには健康的なライフサイクルが重要です。普段から、栄養・運動・睡眠を充実させることは、抵抗力アップになります。また、疲労やストレスを溜めすぎないように注意することも大切です。
タグ:化膿性関節炎