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「病は気から」は、人によって本当だった? [その他の健康情報]
■ 「病は気から」は本当だった?
健全な魂は健全な肉体に宿る、といいます。
意味は逆説的ですが、病は気からに似てるといえるでしょう。人の心は身体を密接で、気落ち状態が長く続けば、
身体への悪影響が心配されるのは、わたしたちの経験則のひとつです。
ところで、その「気落ち」とは、どこまでのことを言うのでしょうか?
大切な人が怪我をしたとか、仕事で不始末をやらかしたとか、進路が心配でいてもたってもいられないとか、試合や試験を控えてうまくいくか不安になってるとか。どこまでが、身体へのマイナス要素になるのでしょうか?
・「心配しすぎ」で病気になる………… こんな皮肉な健康リスクが明らかになってます。
悲観的であることが心疾患と心気症(健康不安症)の原因になることが、先ごろ発表された2つの研究結果により明らかにされました。前述の、経験則ではないのですが、心理学的な健康が身体の健康に関連しているとみられることを示す結果はこれまでにも示されてるので、それほど驚くような発見ではないといえます。
でも今回の結果は、医師の発現。民間医療のカンとは違った重みがあります。患者の精神的な健康を、より重視すべきである。それを、改めて示唆したといえるでしょう。
■ 発表された結果とは
── 英医学誌BMCパブリック・ヘルス掲載 ──
フィンランドの2,200人を対象に11年間にわたって行った研究結果。
研究チームは患者の「悲観度」と「楽観度」を本人の申告に応じて数値で判断。実際に心疾患で死亡した人の数値レベルについて分析した。
その結果、心疾患が原因で死亡した121人のうち、調査開始時に悲観度が最も高いと判断された人が含まれる割合は、悲観度が最も低い人に比べて2.2倍高かったことが分かった。悲観度が最も高い人が心疾患で死ぬ確率は、最も低い人に比べて73%高かったということになり、悲観度が高まるほど、心疾患で死亡する確率も高まることが確認された。一方、「楽観度」と心疾患による死亡との関連性はみられなかった。
―― 英医師会雑誌(BMJ)のオープンアクセスジャーナル「BMJオープン」掲載──
「健康不安症」(または「病気を気にする健康な人」)に関する調査結果。
身体的な症状がないにも関わらず、病気のことが心配で頭から離れない人たちについて調べた。
研究チームは調査対象者7,050人に対してアンケートを実施。不安度が高かった1割ほどの人たちを「健康不安症」と判断した。20年間にわたる追跡調査を行い、健康不安症とされた人たちが心疾患を発症していた割合を調べた(調査開始から1年以内に発症した人は、すでに心疾患があったとして対象から除外)。
健康不安症に分類された人が心疾患を発症した割合は、健康不安がなかった人たちの2倍に当たる6%だった。また、心疾患の発症リスクとして知られる要因を除外して考えた場合でも、発症と悲観度の関連性には同様の結果がみられた。健康不安症の人が心疾患を発症する危険性は、その他の人たちより70%高かったことになる。
フィンランドでの研究結果と同様、この関連性には薬剤の場合で言う「用量依存性(効果・副作用が用量に比例する現象)」がみられた。つまり、健康に対する不安度が高いほど、その後に心疾患を発症する可能性が高まる。
さて。
健康に気を付けることは、健康的な行動や問題の早期発見につながります。だから、そのように考える人も多いのは当然です。とはいえ、健康不安症の人に関してはだけは、この考え方は該当しないといえそうです。先回りして病気の可能性を排除するのでなく、健康を害することが分かっている「不安神経症」に突き進んでいく形になってしまってるのです。
生まれながらに、漠然とした身体の不調要素に気付いていた・・・という可能性も排除できなくもないですが、調査開始1年以内に発症したを対象から除外していることから、不安感が病気を助長してしまったと考えるほうが妥当と思います。
「キャッチ=22」という言葉があります。ジョーゼフ・ヘラーが描いた堂々巡りの状況での戦争小説。これを受けて英語圏では、逃れようのないジレンマ「キャッチ22」と言うことがあります。
健康に不安を持つ人にとっては、まさに「キャッチ22」。病気不安を考え込むことが、病気を招いてしまうという、負のスパイラルになる可能性を孕んでいます。